通知表で勝負が決まる?令和9年度(2027年)埼玉県公立高校入試の変更点と対策
「埼玉の高校入試が変わる」という話を耳にして、何がどう変わるのか気になっている中学生や保護者の方も多いのではないでしょうか。令和9年度(2027年)から、埼玉県の公立高校入試は大きな制度改革を迎えます。
現在の中学1・2年生が受験する代からの変更であり、特に「内申点(通知表の評定)」の比重が増す仕組みになっている点は見逃せません。これまで部活や資格の取得が調査書の加点対象となっていましたが、それらの評価方法も変わります。
また、全受験生を対象に面接が導入されるなど、これまでとはまったく異なる選抜が行われます。この記事では、変更の全体像から各高校別の内申点比率、さらに今からすべき具体的な対策まで丁寧に解説していきます。
埼玉県の高校入試はこう変わる!

令和9年度(2027年)からの入試改革は、単なる制度の微調整ではなく、選抜の根幹に関わる大きな転換です。埼玉県教育委員会が2024年9月26日に公表した「令和9年度埼玉県公立高等学校入学者選抜実施基本方針」を踏まえ、調査書の様式変更、自己評価資料の導入、全受験生への面接実施という3つの大きな柱が新たに設けられました。それぞれの変更がどのような意味を持つのか、一つずつ確認していきましょう。
調査書の評価が内申点中心へ変化
現行の調査書(内申書)には、9教科5段階の評定(内申点)に加え、特別活動等の記録、部活動や生徒会活動の実績、総合的な学習の時間の記録、各種資格の取得状況など、多岐にわたる項目が記載されていました。しかし令和9年度以降は、調査書に記載される内容が「各教科の学習の記録(9教科5段階の評定)」と「総合的な学習の時間の記録」のみに絞られます。
これにより、各高校が選抜基準として使う調査書の得点は、純粋に学校の通知表の数値をもとに算出されることになります。中1から中3までの評定がすべて調査書の得点に影響する点はこれまでと変わりありませんが、部活や資格が調査書上で直接加点されることはなくなるため、「学校の勉強で確実に成績を積み重ねること」の重要性がより一層高まりました。
入試の合否を左右する得点の構成を見ると、学力検査500点(傾斜配点を実施する高校を除く)に対して、調査書の得点は200〜400点の範囲で各校が設定する仕組みになっています。この比率からも、内申点がいかに大きな比重を占めるかが読み取れます。
自己評価資料の提出が必須
令和9年度入試から、全受験生が出願時に「自己評価資料」を提出することが義務付けられます。この資料は、部活動や委員会活動、資格取得など中学校の内外での活動を、受験生が自分自身の言葉で表現するものです。内容としては、学校外でのスポーツ・文化活動、ボランティア活動、英検などの資格、そして自分が高校入学後に取り組みたいことなど、これまで調査書に記載されていた活動歴が含まれます。
ただし、自己評価資料そのものが直接点数化されるわけではありません。この資料は、後述する面接の場で「面接の参考資料」として使われます。資料の内容が乏しければ面接官が深掘りする質問をしにくくなるため、結果として面接得点が低くなる可能性があります。中学校生活を振り返り、自分の活動や考えを言葉にする習慣を中1のうちから意識的に積み重ねておくことが、自己評価資料の質を高めることにつながります。
各高校が設定する自己評価資料の設問内容には特色があり、たとえば浦和高校では「時代の求めるリーダー」や高校入学後に取り組みたいことなど、リーダーシップや志を問うテーマが例示されています。最新の設問内容は、必ず各校の募集要項等で確認するようにしてください。
全受験生に面接を実施
令和8年度(2026年)入試までは、面接を実施する高校は一部に限られており、特に上位校では実施しないケースが大半でした。しかし令和9年度からはすべての受験生に面接が実施されます。形式は個人面接または集団面接で、どちらを採用するかは各高校が決定しています。
面接の内容は、受験生が提出した自己評価資料に基づくものとなっており、まず受験生が自分の言葉で自己表現を行う「My Voice」の時間が設けられ、その後に面接官からの質疑応答が続きます。
面接の配点は基本点30点を「1倍(30点満点)」または「2倍(60点満点)とする形が基本で、どちらを採用するかは各高校が決めます。総得点に占める割合は多くの高校で数%にとどまる一方で、学校によってはより高い比率を設定している場合もあります。そのため、全体としては学力検査と内申の比重が大きいものの、志望校によっては面接が合否に与える影響も無視できない点に注意が必要です。
特に偏差値60以上の高校では面接の比率が低い傾向にあり、最も重要なのは引き続き「学力と内申」であるといえます。一方で、「やるべき対策を見極めて過剰な面接対策に時間をかけすぎない」ことも、効率的な受験勉強という観点から大切な視点になります。
部活や資格の評価方法の変化
現行の入試では、部活動での実績(例:地区大会出場など)や英検・漢検などの資格取得が調査書の「特別活動等の記録」や「その他の項目」として点数化され、合否に直接影響していました。令和9年度以降は、これらが調査書から削除されます。
ただし、部活や資格が完全に意味を失うわけではありません。自己評価資料に活動内容を記載し、面接でアピールする素材として活用することが可能です。つまり、部活や資格の意義が「調査書の加点」から「面接での自己表現の土台」へとシフトするイメージです。これまで以上に、活動そのものの経験や得たことを自分の言葉で伝える力が問われる場面が増えるでしょう。
制度が変わることで受験戦略の見直しが必要になりますが、基本的な方針は「内申点と学力を最大化すること」に尽きます。そのうえで、部活や資格は面接の材料として蓄積するという考え方が、令和9年度以降の受験生にとって最も合理的な姿勢となります。
なぜ中1の通知表が重要なのか?

「中1の内申なんて、まだ先の話」と思っている方も少なくないかもしれません。しかし令和9年度入試では、中1から中3の評定がすべて調査書の得点に反映される仕組みであり、早い段階から内申点を意識した学習が求められます。特に今後の入試制度では内申点の占める割合が高校によっては大幅に上がるため、中1の段階でつまずくことのリスクが非常に大きくなっています。
内申点の比重が上がる構造
令和9年度の共通選抜では、調査書の得点(内申点)として中1・中2・中3の比率を「1:1:1」「1:1:2」「1:1:3」の3パターンから各高校が選択し、それぞれの合計点を「200点」「300点」「400点」のいずれかに換算する仕組みになっています。現行制度では調査書に部活・特活・資格などの加点が含まれていましたが、令和9年度以降は純粋に内申点のみが調査書の基本点を決めます。
たとえば内申点の比率が「1:1:2(180点満点)」を採用し調査書300点換算とする場合、内申の1点の重さは約1.67点分に相当します。これが「1:1:3」かつ300点換算ともなれば、さらに内申1点の影響が大きくなります。中1で評定を1つ下げるだけで、最終的な調査書得点に数点〜十数点の差が生まれる構造を、受験生と保護者はしっかり認識しておく必要があります。
また現行制度では調査書の加点として部活・英検などが別枠で存在していたため、「学力は低くても部活で稼ぐ」という戦略もある程度有効でした。しかし新制度ではそのような逃げ道がなくなるため、9教科すべての評定を1点でも高く保つことが受験戦略の絶対的な軸となります。
逆転パターンが難しくなる背景
現行制度では、中1・中2の内申が低くても、中3から一気に成績を上げてある程度の挽回が可能でした。実際、中3の内申に2倍・3倍の比率をかける高校が多かったため、「最後の1年で頑張る」という作戦が一定の効果を持っていたのです。しかし令和9年度以降も多くの高校が中3の評定を重視しますが、部活・資格・特活の加点がなくなったことで、「学習の記録(内申)以外の逃げ道」が閉ざされます。
さらに、学力検査の比重を抑えて調査書300点・400点と高く設定する高校が出てくれば、入試当日の頑張りで内申の差を埋めることはより困難になります。換言すると、3年間の定期テストと授業態度の積み重ねが、そのまま合否の下地として固定される仕組みが強化されるのです。
「中3になったら本気を出す」という発想では間に合わない可能性が高く、中学入学直後から受験を意識した学習姿勢が求められる時代になっています。特に志望校の偏差値が高いほど、中1から高水準の内申を維持することの必要性は増します。
学力と内申と面接のバランス
令和9年度以降の入試では、多くの普通科で「学力検査点+調査書点(内申)+面接点」を組み合わせて合否を決定します。実技検査や特色検査を課す専門学科・コースもあるため、志望校・志望学科ごとの評価項目を必ず確認しておきましょう。
面接の比率は先述のとおり総得点に対して数%程度にとどまることが多く、全体の勉強時間の配分においても面接対策に過剰なエネルギーを注ぐより、学力と内申の向上に集中することが効率的です。ただし、面接で最低限求められる「自分のことを言葉にする力」は、特別な対策をしなくても中学校生活を丁寧に送ることで自然と養われます。
バランスとして最もベターなのは、「定期テストと日々の授業で内申を最大化しながら、学力検査の5教科を並行して強化し、自己評価資料の記入に向けた自己理解も日常的に深めていく」という3本柱のスタイルです。この3つを並立させることが、令和9年度以降の受験生に求められる総合力の正体といえます。
塾や家庭でのサポートも、単に学力検査の対策だけでなく、内申点に直結する定期テスト対策や提出物の管理など、学校生活全般を支えるものへとシフトしていく必要があります。
内申点比率の変化を高校別具体例で解説!

令和9年度の各高校の選抜実施内容(暫定版)は、2025年12月26日に埼玉県教育委員会が公表しています。以下では、特にさいたま市・川口市・越谷市周辺の主要校を中心に、内申点の比率・調査書の点数・面接の配点などを具体的に確認していきましょう。
なお、数値は暫定版のものであり、令和8年5月に確定版が公表される予定です。最新情報は必ず埼玉県教育委員会の公式ホームページでご確認ください。
浦和高校
浦和高校(普通科)は令和9年度から特色選抜を実施します。内申点の学年比率は「1:1:2」で調査書の基本点は180点満点です。学力検査は数学・英語に学校選択問題を採用したうえで各150点の傾斜配点が課されるため、5教科の学力検査合計は600点換算になります。
面接は集団面接で配点は30点、合計点は第1次選抜810点・第2次選抜765点(第2次は調査書135点)です。自己評価資料の設問は「時代の求めるリーダーとは何か、高校入学後に取り組みたいこと」を問う独自設問で、知的好奇心・高い志・挑戦する意志を持つ生徒を求めています。
浦和第一女子高校
浦和第一女子高校(普通科)は特色選抜を実施します。第1次選抜の配点は学力検査500点・調査書135点・面接30点の合計665点です。第2次選抜では数学・英語に各200点の傾斜配点が加わり、学力検査700点・調査書135点・面接30点の合計865点となります。
内申の学年比率は「1:1:2」・基本点180点ですが、第1次選抜での換算値は135点です。面接は集団面接で、自己評価資料には「高い志を持ち粘り強く努力し続けた経験」を記述することが求められています。
令和8年度まで調査書に含まれていた部活動・英検等の加点が廃止される一方、第2次選抜の英数傾斜配点が新設されるため、学力の比重がより大きくなる変更といえます。
市立浦和高校
市立浦和高校(普通科)は共通選抜と特色選抜の2種類の選抜を実施します。共通選抜(合格者の約80%)では学力検査500点・調査書300点・面接30点の合計830点、特色選抜(合格者の約20%)では学力検査500点・調査書200点・面接100点の合計800点となっています。内申の学年比率は「1:1:2」で基本点は180点です。
面接は個人面接で、特色選抜では面接点が100点と高めに設定されており、中学3年間の活動内容を言葉で伝える力が問われます。学校選択問題(数学・英語)の実施校です。
蕨高校
蕨高校(普通科)は共通選抜を実施します。内申の学年比率は「1:1:2」で基本点は180点です。面接は集団面接で配点は30点です。
数学・英語ともに学校選択問題が実施される難関校であり、学力の底上げに加えて中1から安定した内申を維持することが合格を引き寄せる核心となります。
浦和西高校
浦和西高校(普通科)は共通選抜のみを実施します。内申の学年比率は「1:1:2」・基本点180点で、第1次選抜の配点は学力検査500点・調査書200点・面接30点の合計730点、第2次選抜は面接が60点に倍増して合計760点となっています。
面接は個人面接で、自己評価資料では「目標や困難に向かってやり抜いたこと」を記述することが求められます。学校選択問題(数学・英語)の実施校です。
川口市立高校
川口市立高校は普通科・理数科・スポーツ科学科の3学科で構成され、それぞれ選抜内容が異なります。学校選択問題(数学・英語)の実施校であり、特色選抜と共通選抜の両方を実施します。面接は集団面接です。
普通科の第1次選抜(共通選抜)では学力検査500点と調査書を合算した合計で選抜が行われます。理数科では特色検査が実施されます。学科ごとに配点や比率が異なるため、志望する学科の選抜内容を埼玉県教育委員会の公式ページで必ず個別に確認してください。
川口北高校
川口北高校(普通科)は共通選抜を実施します。内申の学年比率は「1:1:2」・基本点180点で、第1次選抜の配点は学力検査500点・調査書300点・面接30点の合計830点、第2次選抜は調査書200点に縮小されて合計730点となっています。
面接は集団面接です。数学・英語ともに学校選択問題が実施される上位校で、学力重視の選抜方針が維持されています。自己評価資料では「文武両道の精神を自覚し実践しようとする生徒」としての経験や意欲を書くことが求められます。
市立大宮北高校
市立大宮北高校は普通科と理数科の2学科を設置し、どちらも学校選択問題(数学・英語)の実施校です。共通選抜と特色選抜を実施し、面接は集団面接となっています。
理数科では特色検査が実施される見込みです。志望する学科によって配点や内申比率が異なるため、埼玉県教育委員会の公式ページに掲載された各学科の選抜実施内容を個別に確認したうえで準備を進めてください。
市立浦和南高校
市立浦和南高校(普通科)は特色選抜(合格者の約20%)と共通選抜(合格者の約80%)の2種類を実施します。共通選抜では学力検査500点・調査書300点・面接30点の合計830点、特色選抜では学力検査500点・調査書200点・面接100点の合計800点となっています。
面接は個人面接です。自己評価資料には「校内外を問わず中学3年間で頑張ってきたこと、どのように頑張ってきたか、高校生活でそれをどのように活かしていきたいか」を書くことが求められます。特色選抜では面接が100点と比重が高く、活動経験を面接の場で言葉にできる力が問われます。
越谷南高校
越谷南高校(普通科・外国語科)は共通選抜を実施します。普通科の内申比率は「1:1:2」・基本点180点です。面接は個人面接で配点は30点です。
普通科と外国語科の間で第2志望を相互に認める制度があります。外国語科では英語力を重視した選抜内容が設定されており、英語の学力強化が重要な課題となります。部活加点がなくなる分、定期テストで安定した内申を確保することが合否に直結します。
伊奈学園総合高校
伊奈学園総合高校は普通学系・スポーツ科学系・芸術系の3学系で構成され、学系ごとに選抜方式が異なります。普通学系は共通選抜のみで、内申比率「1:1:3」・基本点225点です。第1次選抜は学力検査500点・調査書300点・面接30点の合計830点、第2次選抜は調査書200点に縮小されて合計730点となっています。
面接は集団面接です。スポーツ科学系は特色選抜を実施し実技検査が課されます。芸術系も特色選抜で実技検査が行われます。自己評価資料の学校独自設問はいずれの学系も「設定なし」となっており、共通の様式で記述します。
上尾高校
上尾高校(普通科)は特色選抜を実施します。内申比率は「1:1:2」・基本点180点です。第1次選抜は学力検査500点・調査書180点・面接60点の合計740点、第2次選抜は面接120点で合計800点となっています。
面接は個人面接です。自己評価資料には「校訓『文武不岐』を踏まえた活動内容」を問う設問があります。 面接の配点が第1次60点・第2次120点と他校より比重が高めのため、自己評価資料と面接の準備を丁寧に行うことが求められます。
与野高校
与野高校(普通科)は共通選抜を実施します。内申の学年比率は「1:1:3」で、中学3年の評定が重視される配点です。
面接は集団面接で、主体的に取り組んだ経験やそれを高校生活にどう生かすかが評価されます。自己評価資料では「中学校3年間で学業以外に力を入れて取り組んだこと」と、その過程・成果・高校での活かし方を具体的に記述することが求められます。
浦和北高校
浦和北高校(普通科)は共通選抜を実施します。内申比率は「1:1:3」・基本点225点です。第1次選抜は学力検査500点・調査書300点・面接30点の合計830点、第2次選抜は調査書200点で合計730点です。
面接は個人面接で、自己評価資料の独自設問はありません。 内申比率1:1:3の設定は「中3の評定が最も重い」構造のため、中3の1学期から内申の引き上げに集中することが合格への重要な取り組みになります。
川口高校
川口高校(普通科)は共通選抜を実施します。内申比率は「1:1:2」・基本点180点です。第1次選抜は学力検査500点・調査書200点・面接60点の合計760点、第2次選抜は調査書400点・面接60点で合計960点です。
面接は集団面接です。自己評価資料では活動経験と入学後の意欲を問われます。
南稜高校
南稜高校(普通科・外国語科)は共通選抜と特色選抜を実施します。面接は集団面接です。外国語科では令和8年度から特色選抜が実施されており(12校のうちの1校)、令和9年度も特色選抜が維持される見込みです。
令和9年度の具体的な内申比率・配点については、令和8年5月公表の確定版で正式に決まります。普通科・外国語科ともに内申点の積み重ねが合格の土台になりますが、外国語科は英語の学力強化も重要な準備課題です。
常盤高校
常盤高校(看護科)は5年一貫教育を実施しており、看護専攻科第1学年は新たな募集を行わない仕組みになっています。令和9年度は共通選抜を実施し、面接は個人面接です。
看護を目指す専門学科として、自己評価資料では医療や人を支えることへの関心・具体的な動機をエピソードと合わせて記述することが面接での評価につながります。
大宮南高校
大宮南高校(普通科)は特色選抜と共通選抜を実施します。内申比率は「1:1:3」・基本点225点と、中3の内申を重視した設定です。特色選抜(合格者の約20%)では学力検査500点・調査書360点・面接90点の合計950点、共通選抜(合格者の約80%)では学力検査500点・調査書300点・面接60点の合計860点となっています。
面接は個人面接です。自己評価資料には「高校生活において論理的活動と実践的活動が実行できることを具体的に書いてください」という設問が設けられています。
鳩ケ谷高校
鳩ケ谷高校(普通科・園芸デザイン科)は共通選抜を実施します。内申の学年比率は「1:1:2」となっており、面接は個人面接です。自己評価資料では、目標に向かって主体的に取り組む姿勢や、進路実現に向けた意欲が重視されます。
令和8年度の倍率データでは普通科が1.37倍と一定の競争率を示しており、志望者は定期テストと提出物の徹底管理で着実に内申を積み上げることを最優先に取り組んでください。
浦和東高校
浦和東高校(普通科)は特色選抜と共通選抜の2種類の選抜を実施します。内申比率は「1:1:3」・基本点225点です。特色選抜(合格者の約40%)では学力検査500点・調査書300点・面接360点の合計1160点と、面接が非常に大きな比重を占めます。共通選抜(合格者の約60%)では学力検査500点・調査書300点・面接60点の合計860点です。
面接は個人面接です。自己評価資料には「これまでの成果(部活動・資格等の実績、自分なりに取り組んだもの)を挙げ、アドミッション・ポリシーにのっとってどのように高校生活を送りたいか具体的に書いてください」という設問があります。
特色選抜では面接360点という高い配点が設定されており、中学時代の活動実績を言葉で表現する力が合否を大きく左右します。
岩槻高校
岩槻高校(普通科・国際教養科)は令和8年度から新校へ移行しています。普通科は共通選抜のみで、内申比率「1:1:2」・基本点180点です。
第1次選抜は学力検査500点・調査書300点・面接30点の合計830点、第2次選抜は調査書400点に拡大されて合計930点となっています。国際教養科は特色選抜も実施し、国語・社会・英語に傾斜配点(各150点)が課されます。特色選抜の第1次合計は1080点です。
面接は両学科ともに集団面接です。普通科・国際教養科の間で相互に第2志望を認める制度があり、外国人特別選抜も実施されます。
大宮東高校
大宮東高校(普通科・体育科)は異なる選抜方式を採用しています。普通科は共通選抜のみで、内申比率「1:1:2」・基本点180点です。第1次選抜は学力検査500点・調査書200点・面接30点の合計730点、第2次選抜は調査書400点・面接60点に変更されて合計960点となっています。
体育科は特色選抜を実施し、内申比率「1:1:1」・基本点135点です。体育科の特色選抜(第1次)は学力検査500点・調査書345点・面接30点・実技430点の合計1305点という特殊な配点です。
面接は個人面接です。自己評価資料には「中学校で取り組んだスポーツ・文化的活動や委員会・生徒会活動を通して成長したこと、入学後の意欲を書いてください」という設問があり、体育科では実技検査の比重が大きく引き続き実技力の強化が不可欠です。
川口青陵高校
川口青陵高校(普通科)は共通選抜を実施します。内申比率は第1次選抜が「1:1:2」・基本点180点、第2次選抜が「1:1:3」・基本点225点と、2次選抜で中3の評定に3倍の比重がかかる設定になっています。第1次選抜(合格者の約70%)は学力検査500点・調査書300点・面接30点の合計830点、第2次選抜(合格者の約30%)は調査書400点・面接60点で合計960点となっています。
面接は個人面接です。自己評価資料には「本校の3つのアドミッションポリシーから1つを選び、入学後どのように実践しようと考えているかを書いてください」という設問が設けられています。中3の内申点を1点でも高く維持することが合格を引き寄せる最重要の取り組みになります。
これからの受験戦略はどうする?

令和9年度入試の制度変更を踏まえると、これまでの受験戦略をそのまま踏襲することはリスクを伴います。中1から内申点を意識しながら、学力検査と面接の準備も並行して進める「3本柱の戦略」が、新しい入試制度に最も適した取り組み方といえます。以下では、それぞれの視点から具体的な行動指針を整理します。
中1ギャップ対策
「中1ギャップ」とは、小学校から中学校へ進学した直後に学習や生活のリズムが崩れてしまう現象を指します。令和9年度以降の入試では中1の内申点がそのまま調査書の得点に反映されるため、中学校に入学してすぐの最初の定期テストから本番という意識が不可欠です。
学習内容が一気に難しくなり科目数も増えるなかで、最初のテストでつまずくと内申が下がり、その遅れを取り戻すために中2・中3で余計なエネルギーを費やすことになります。
特に大切なのは「学習習慣の確立」と「提出物の徹底」です。授業の復習を毎日行い、定期テスト2週間前からはテスト範囲に集中した演習を積むことで、中1から安定した内申点を確保できます。また、5段階評価のうち「4」と「5」の差は授業態度・提出物・定期テストの3要素で決まることが多いため、どれか1つを疎かにしないことが重要です。
もし中1の初めに失敗してしまっても、早めに塾や家庭でのサポート体制を整え、軌道修正することは十分可能です。中1ギャップを早期に乗り越えられた生徒は、中2・中3でも安定した成績を維持しやすく、受験戦略において大きなアドバンテージを持つことになります。
内申優先の学習方針
今回の入試変更で最も強く意識すべきなのが、「日々の学習の積み重ねがそのまま内申点として入試に反映される」という仕組みへの転換です。令和9年度以降は調査書から部活・資格などの加点が削除され、9教科5段階の評定のみが調査書得点を決めます。つまり定期テストの結果が、そのまま合否の天びんに乗る時代になったといえます。
内申を上げるための最も確実な方法は、定期テストで高得点を取ることです。学校のワークを繰り返し解くこと、授業ノートを丁寧にとること、小テストで満点を目指すことが、評定を「4」から「5」へと引き上げる地道な積み重ねになります。
また、副教科(音楽・美術・保健体育・技術家庭)の内申も軽視できません。主要5教科のみに集中するのではなく、9教科すべてに均等に力を注ぐことが、高内申を実現するための基本姿勢です。
内申優先の学習方針を実践するためには、塾が実施する「定期テスト対策授業」の活用が非常に有効です。学校別・定期テスト範囲別に絞り込んだ演習ができる環境を整えることで、テストのたびに着実に内申を積み上げることが可能になります。
私立志望の戦略設計
公立志望と私立志望では、受験戦略の設計が大きく異なります。公立高校入試では学力検査・調査書(内申)・面接の3要素で合否が決まるのに対し、私立高校では学力検査(当日の一般入試)に加え、秋の個別相談会で北辰テストの偏差値と内申点をもとに合否見通しが判断される仕組みが主流です。そのため私立を志望する場合でも、内申点の管理は避けて通れない課題となります。
「公立が第一志望で私立は滑り止め」という場合でも、私立に確実に合格できる保険を早めに確保することが精神的なゆとりを生み、公立入試に集中できる状態をつくります。私立の単願・併願基準を確認し、それを満たせるよう内申目標を逆算しておくことが、私立志望の戦略設計の第一歩です。
また、大学進学を視野に入れた場合、私立高校の大学受験実績や総合型選抜のサポート体制も比較検討することをお勧めします。公立・私立それぞれの強みを理解したうえで、お子様の性格や学習スタイルに合った進路選択をするためにも、早い段階からさまざまな学校を見学し情報を集めていきましょう。
埼玉県の高校入試変更に関するFAQ

令和9年度の入試変更について、保護者や受験生から多く寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。ここで疑問を一つひとつ解消し、適切な準備を進めていただければと思います。
内申点はどのくらい重要になったの?
令和9年度の入試では、調査書の記載内容が「9教科の評定(内申点)」のみに集約されたことで、内申点の重要度はこれまでよりもさらに高まっています。これまで評価対象だった部活動や英検・漢検などの資格は直接点数化されなくなり、日々の学習の積み重ねがそのまま合否に反映されやすい仕組みへと変わりました。つまり内申点は、合格を左右する大きな要素といえます。
調査書の基本点は高校によって200〜400点に換算されており、学力検査500点と並ぶ大きな割合を持つ高校も少なくありません。内申点の学年比率や換算点は高校ごとに異なるため、志望校の選抜基準を早めに確認し、どの学年の内申がどの程度の重みを持つかを把握しておくことが大切です。
中1から成績が悪いともう逆転できない?
完全に逆転できなくなったわけではありませんが、これまでと比べて難しくなったのは事実です。内申点は中1から積み重ねていくものなので、スタートでつまずくと後から取り返す負担が大きくなります。ただし、定期テストの点数を上げること、提出物を確実に出すこと、授業態度を見直すことによって、内申点を引き上げることは可能です。
大切なのは、課題に気づいた段階で早めに動き出すことです。中1で内申を取り逃した場合でも、中2の最初の定期テストから立て直す姿勢を持てれば、中3での仕上がりは十分間に合います。一人で抱え込まず、塾や学校の先生に相談しながら学習計画を組み直すことが、確実な軌道修正につながります。
部活や英検は本当に意味がなくなったの?
意味がなくなったわけではありません。これまでのように調査書で直接点数化されることはなくなりましたが、「自己評価資料」や面接の場で評価される要素として、十分に活用することが可能です。特に、努力を続けてきた過程や継続力、成果に至るまでの考え方などは面接官に伝わりやすく、人物評価の面で重視されます。
制度の変化を一言で表すなら、「数値評価」から「人物評価」への移行といえるでしょう。調査書の数字として加点される形ではなくなったものの、自分の言葉で語れる経験があることは、面接という新しい評価軸で確かな強みになります。部活や資格の取り組みは、受験という枠を超えて自己成長の土台になるものです。
面接はどれくらい合否に影響する?
面接は入試の評価対象として位置づけられており、合否に一定の影響を与えます。ただし配点は各高校ごとに設定されるため、学校によって面接の重要度は大きく異なります。偏差値60以上の上位校では面接の配点が総得点に占める割合は3〜4%前後にとどまる一方、市立浦和や市立浦和南のように特色選抜で面接100点を設定している高校では、より丁寧な準備が求められます。
全体的な傾向として、面接の比重は学力や内申点と比べて小さいといえます。対策の優先順位としては、まず内申と学力を固めたうえで、面接に向けた自己表現の準備を重ねることが合理的な順番です。志望校の面接配点を確認し、優先度に応じた対策を心がけましょう。
今から何をすればいいの?
最優先で取り組むべきなのは、「内申点を上げるための学習習慣を今すぐ作ること」です。具体的には、定期テストへの本格的な対策、提出物を期日どおりに丁寧に仕上げること、授業中に積極的に参加する姿勢を意識することが、評定を底上げする直接的なアクションになります。令和9年度以降の入試では日々の授業の積み重ねがそのまま受験対策になるため、「いつか頑張る」という考え方は今すぐ手放してください。
あわせて、自己評価資料や面接に向けた準備も早めに始めておくと安心できます。「自分が頑張ってきたこと」「高校でやってみたいこと」「将来の目標」などを言葉にする練習を日常的に続けることで、いざ資料を書く場面や面接の場で自然に表現できるようになります。毎日のちょっとした意識が、受験本番の力として着実に積み上がっていきます。
内申点が足りない場合はどうすればいい?
まず現状の内申点と志望校が設定している基準を照らし合わせ、どの程度のギャップがあるかを明確に把握することから始めましょう。差が分かれば、「中2のうちに何点上げる必要があるか」「中3の1学期に集中すべき教科はどれか」といった具体的な目標が見えてきます。その目標に向けて定期テスト対策を強化すれば、短期間での内申アップは十分可能です。
また、内申と並行して面接で評価される要素を高めることも有効なアプローチです。自己評価資料に書ける活動経験を今から積み、自分の言葉で伝える力を養うことで、内申の差を面接での印象でカバーする余地も生まれます。早めに対策を始めれば、合格の可能性を高めることは十分にできるため、現状に落ち込まず動き出すことが最初のステップになります。
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